1984年サラエボ大会から6大会連続で表彰台に立っていた日本スピードスケート陣は、2002年ソルトレーク大会銀の清水宏保以来、2大会ぶりのメダルを手にし、復活を果たした。第5日の16日は、スピードスケート女子500メートルに、5度目の五輪となる38歳の岡崎朋美(富士急)らが出場。高橋大輔(関大大学院)らが出場するフィギュアスケート男子のショートプログラム(SP)も行われる。
◆「信じられない」◆
「雑草人生」を自認する長島圭一郎(27)が土壇場で根っこの強さを発揮し、見事な大逆転劇で男子500メートル銀メダリストに輝いた。
「いやあ、信じられなかったす。ホントに。普通なんですけど。本当に信じられない。よく6位から頑張ったな、と」。自分でもよく分からない言葉がポンポンと出てきた。
長島の1回目は35秒10で6位。トップとは0秒24の差だ。「髪の毛1本のミスが明暗を分ける」とされるこの種目では、実は絶望的な大差でもあった。そのことを一番、知っていたのは長島本人だ。だが、雑草の男はめげなかった。窮地で開き直り、「転んでもいいと思って飛ばしていった」という通りの滑りを見せ、3組を残して34秒87の2回目のトップタイムをたたき出した。
途端に1回目の悲痛な表情が消えた。確かな手応えを得た長島は、リンクを半周してコーチらとハイタッチ。その弾みでリンクに尻餅をついた。でも、起きあがるより先にガッツポーズが何度も飛び出した。観客席から爆笑が起こる。そんな演出も長島にしかできない芸当かもしれない。
この種目は「日本のお家芸」とも呼ばれる。1984年サラエボ大会で北沢欣浩(よしひろ)さんが、やはり銀メダルを獲得して以来、実に6大会連続でメダルを獲得してきた。だが、前回のトリノ大会では、長島は13位に沈んだ。世間は日本の歴史に傷をつけたという。開幕前はメダルを取り戻せとも言われた。しかし、長島はエリートたちの軌跡と今を比べられるのが大嫌いだ。
北海道・池田高校時代は長距離で芽が出ず、3年生で短距離に転向した。付け焼き刃は通じず、常に「二軍扱い」。頭角を現し始めたのは、日本電産サンキョー入社後。その年の秋、2学年下の加藤条治(25)は世界記録をマークした。17歳で世界にデビューした加藤。またしても、同僚にエリートがいた。「絶対に、負けられない」。加藤のことは決して嫌いではない。だが、リンクでは用がない限り、口をきかない。
でも、五輪のレースが終わり、素直になれた。自分が「銀」だということは、それほど大事ではなかったかもしれない。「過剰なライバル心」は、もう必要ない。2人で表彰台に立った。それがすごく心地よかった。(畔川吉永)
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